木目金を知る



木目金を知る <第20回>

  2019年4月18日

金属の積層に彫りやねじりを加えることで生み出される木目金の模様。職人の手作りであるため、一つとして同じ模様は生まれないため、作品の一つ一つが唯一無二と言えます。今回は、それらをあえて特徴的な模様毎に分類してご紹介しましょう。

まず最初は木目金を生み出した秋田正阿弥系の木目金です。流れるような斜めの縞模様と丸い玉杢模様が組み合わされ、金、銀、銅、赤銅の華やかな色合いが特徴です。
彫りとねじりを巧みに組み合わせて模様を生む、元祖木目金の高度な技による木目金です。
正阿弥伝兵衛模様として、杢目金屋のジュエリーの模様にも用いていて大変人気があります。

 

現在残る江戸時代の木目金の鐔で最も一般的と言える模様がこちらです。
金属の積層をランダムにタガネで彫り平らに伸ばすことで、複雑で優雅な模様を生み出しています。

江戸時代後期に武州川越(現在の埼玉県川越市)に住んでいた恒忠が作る木目金は、玉杢模様が特徴です。「玉杢」とは木材の木目模様においても珍重される模様で、渦のような同心円の重なりが生み出す美しい模様です。色の違う金属の積層を丸く彫った後、平らに伸ばすことでこの玉杢が生まれます。恒忠は様々な大きさの玉杢で鐔全体を覆うことで躍動感のある美しい模様を生み出しています。

 

江戸で活躍していた高橋興次の木目金の特徴は、何といっても、鐔という小さな画面に時の流れまでも感じさせる風流な景色をそのまま表現している点です。川面に浮かぶ桜の花や紅葉が具象化されています。それまでは文様を作る技術であった木目金を具体的なイメージを表現する技術に高めています。

 

その興次の模様とは対照的に、こちらは江戸時代後期の鐔に見られるパターン化された文様の木目金です。繊細な垂直なストライプの彫りを不規則に重ねることによって全体としては規則的なパターンとなり、木目金の技術は完全に文様を作る技術として扱われています。

 

最後に大変貴重な木目金の模様をご紹介しましょう。
正阿弥派は全国各地に広がり活躍しましたが、伊予国(現在の愛媛県松山市)の鐔工、正阿弥盛国は珍しい四角紋の模様を残しています。玉杢の制作方法と同じく積層した金属を彫り下げて模様を生み出しますが、四角形に彫り下げた大小の紋様を不規則に鐔の表面に散らすことで、大胆で雄々しい表情を見せています。他には類を見ない特徴的な模様です。

 

木目金の模様は制作者と金属との対話から生み出されると言われます。制作者の意図に偶然性が重ねられて生まれる模様は、世界に一つの唯一無二の模様です。

 


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