杢目金屋では伝統技術や文化を大切にし、「木目金」の研究のため関連作品を収蔵しています。
お客様にご覧になっていただけるように店舗にディスプレイもしております。
鑠木目金地鐔 銘 武州之住 正國作
江戸時代後期 赤銅 素銅、金覆輪(デンマーク工芸博物館)復元
『細微な文様の奥深さ』
江戸鐔工の一派として著名な伊藤派の作です。木目金の中でも珍しい文様で、細微な文様は魚子塗のような荒らしの地肌を感じさせます。
たっぷりとした四つ木瓜型の鐔一面に施された繊細な木目金の文様を金の覆輪により引き締めることで、上品な華やかさと力強さを併せ持った雰囲気を醸し出しています。
鑠木目金地鐔の鑠(わかし)という漢字には「金属を熱して溶かす」という意味があります。数種類の金属を溶着して結合し一枚の金属にする木目金の技法を意味しています。
デンマーク工芸博物館には他にも数点の江戸時代の木目金の鐔が収蔵されています。